# 勝手に検証
リンク: 頭ん中: 面倒なことを後回しにしてしまう人が今すぐやる気になれるツール
頭ん中のマスナガさんが 1/30 に公開した「近接未来アドバイザ」(仮称)の動詞処理を勝手に検証してみました。
近接未来アドバイザ(仮称)は、
後で [ ] うと思うんだけど <どうかな?>
という入力フォームで、[ ] が入力フィールド、 <どうかな?> が送信ボタンになっています。たとえば、
後で [勝手に検証しよ] うと思うんだけど <どうかな?> という風に入力すると、
↓
いや、後回しにしない方がいい。今すぐ勝手に検証しなさい。 というダイアログが出てきます。
さて、入力フィールドの直後は「~う」と続いています。これは現代口語の "意志を表す助動詞" というものですね。が、実際には "意思を表す助動詞" は「う」と「よう」の 2 つがあって、接続の規則はそれぞれ、
上一段、下一段、カ変、サ変(の未然形) + よう
五段(の未然形) + う
と決まっています。ということは、やってみれば判るのですが、上一段、下一段、カ変、サ変の動詞を使う場合にはユーザが「動詞の語幹 + よ」までを入力することになりますね --- 例: [今日もネットしよ] う、[Vista を買って来よ] う、[すぐ寝よ] う ---。したがって、これらの動詞が入力された場合、上記のメッセージを表示するためには「よ」を削除して語幹だけにし、そこに「~なさい」を付ければ済むわけです。
面倒だろうと思われるのが五段活用の場合。五段活用の未然形は「お、こ、ご、そ、と、の、ぼ、も、ろ」のいずれかで終わります。入力値の末尾がこれらのいずれかの場合は、「同じ行のイ段に置換」してから「~なさい」を付けることになります。
例: [王を追お] う、[もう死の] う → 「王を追いなさい」、「もう死になさい」
未然形が「よ」で終わる、つまりヤ行の五段活用動詞というのがないのは幸いでした。待てよ。ということは、「来る」を漢字で書けばいいけど、「買ってこよ」みたいにひらがなで入力してしまうと...。
以上、言語処理を考えるときには(正規表現のパターンを考えるときなども同様)、国語教師の経験がけっこう役に立つというお話でした。
12:29 午前 パソコン・インターネット | URL
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コメント
補足:
上に上げた動詞のほか、「よう」は「れる・られる」、「せる・させる」という助動詞の後にも接続します。が、この場合も「○○させよ + う」のように「よ」が付くので、処理は同じで済むことになります。
投稿: baldhatter | 2007/01/31 0:32:22
検証してくださってありがとうございます。
ひらがなのカ変は見落としてました。すぐ対応しました。
ついでに「○○しよ + う」なのに、「○○しよう + う」にしてしまう人が多いのにも対応。
元の文がおかしくなりますけど、「○○するのを後回しにしよう」って入れられると「いや、後回しにしない方がいい。今すぐ○○するのを後回しにしなさい」になるんですね。これは面白いから放置しましたが。
投稿: マスナガ | 2007/01/31 21:11:08
> 検証してくださってありがとうございます。
いえ、お礼を言われるようなものではないんですが :)
素早い対応に感服しました。「~よう」まで入力してしまう人が多いというのは、よく判る気がします。
投稿: baldhatter | 2007/02/02 1:02:13