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2006.09.26

# 漢江の怪物、か?!

日本が沈没してしまって以来、映画ネタが途絶えてましたが、まあポツポツと観てはおりました。

『太陽』を観て、半藤一利を何冊か読んだりしてましたが、エントリにする機会を逃しました :P
『ユナイテッド93』も観ましたが、まだ少し語る素材を欠いています。
『X-MEN: ファイナル ディシジョン』は、期待値をかなり下げて臨んだおかげで、まあアラは気になりつつ楽しみました。

が、小生としていちばん旬だったのは、韓国映画『グエムル 漢江の怪物』です。

タイトルどおりの怪獣映画ではありません。広告にあるようにホラーだと思って観たら、たぶん肩透かしを食います。家族愛のドラマ? いや、これがまたなんとも力の抜けちゃう「家族」で、主人公たちはとことんかっこう悪い。実は、それがこの映画のいちばんの見どころなんでした。

なにしろ、怪物にさらわれちゃう女の子の父親というのが、その父(つまり女の子の祖父)の経営する売店で店番するくらいしか能がない。それどころか客に出すイカ焼きの足はつまみ食いする、釣り銭はごまかすという徹底したダメ男。顔立ちはもちろん人並み以下で、からだは贅肉だらけ。とにかくいいところは一つもない。その弟にしても、いちおう大卒だけどデモばかりやっていた若者で、やっぱり甲斐性はさっぱり。もう一人、妹だけはかろうじてアーチェリーの選手としてそれなりに活躍しているらしいが、赤いジャージ上下で登場したその格好は颯爽というには程遠い。

そんな一家(祖父 + 兄妹 3 人)が、軍や警察の監視の目をかいくぐり、孫娘であり姪である女の子を助け出そうというんだから、やることなすこと無様なことこのうえない。銃を構えている姿より、4 人そろってカップラーメンをすすっている風情の方によほどのリアリティがある。そこを、ときに面白く、ときに温かい目で描いているはずなんですが、実はその機微が日本人には --- 少なくとも小生には --- 今ひとつズレて見えて、そこもまたある意味で楽しいんでした(このズレの感覚は、韓流ドラマのどれを観ていても共通しています)。

映画の随所で、反米、反体制的な描写もあります。その強権ぶりが、今現在のかの国を描くとこうなるのか、ということを感じさせるのですが、この家族がからむとそれがまた妙な空周りになっておかしい。

怪物の描き方もかなり異色で、観る人が観たらそれなりに面白いはず。モンスター映画にありがちなチラ見せとか、暗い場面の多用に逃げることなく、いきなり白昼堂々と人だかりの中に登場します。その後も、登場するのはほとんど明るい場面ばかり。造形もまた、グロテスクなようでどこかとぼけた可愛げがあって、ちょっとヘドラに通じるユーモアがあります。そのキモカワイイ怪物が次々と人間を襲うシーンを、かなり引いたショットで撮り続ける画面は、むしろドキュメンタリタッチも感じられ、これはもしかしたら、なかなか真似のできない撮り方ではなかろうか、と思わせる力がありました。

いずれにしても、この映画はとうてい万人向けとは言えないわけですが、どうがんばって宣伝しても、やはりキワモノ映画でしょうねぇ。キワモノとしては、尺がちょっと長いでしょう。90 分くらいでまとめると、もう少し潔い佳品になったかもしれない、かな。

12:34 午前 映画・テレビ |

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