« # パパ、または大親分 | トップページ | # 薩摩守 :) »

2006.05.12

# 推理小説の常識が...

リンク: 西日本新聞 / 社会 [遺体なき殺人で無期懲役 京都地裁判決]

推理小説では、「遺体が発見されない限り、絶対に有罪にはならない」というのが常識だったはずですが、やはり現実は小説より奇怪なようです。

という冗談はともかく、文面から見ると、なんともコワイ話に思えます。

2002年、京都府宇治市の会社員林正樹さん=当時(52)=を殺害しキャッシュカードを奪ったとして、強盗殺人罪などに問われた住宅リフォーム会社社長狩野明男被告(50)に、京都地裁(上垣猛裁判長)は12日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。  遺体は未発見で殺害方法も不明。目撃証言など直接証拠もなく、狩野被告は「身に覚えがない」と、強盗殺人での無罪を一貫して主張した。  一方、検察側は状況証拠を積み重ねて被告の犯行と断定。「金銭目的で計画的。遺体を焼いて捨てるなど徹底した隠ぺい工作を図った」と指摘していた。

遺体もなし
直接証拠もなし

ですよ?!

02:15 午後 社会・ニュース |

はてなブックマークに追加

« # パパ、または大親分 | トップページ | # 薩摩守 :) »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: # 推理小説の常識が...:

コメント

自己レス。

朝日によれば、
「最高裁によると、1962年以降に、遺体の見つかっていない殺人事件で確定判決を受けた被告は30人いる。」
だそうです。推理小説の常識は、当てにならないのでした。

投稿: baldhatter | 2006/05/12 15:41:41

死体無き殺人事件はちゃんと判例になっていて、それも、割と古くからあります。漁船から海に放り込んだとかいう事案があって─最初に見た時は私もびっくりしました。
刑事訴訟法的には、状況証拠(間接証拠)だけで直接証拠がない場合でも有罪にできるかという問題で、間接証拠を積み上げて立証する方法でもよいとされています。
しかし素朴な感情として、他の状況証拠はともかくも、「死体」がなくては、そもそも殺人という犯罪行為が行われたかどうかも、確証が持てないのでは? つまり、もげた手足が発見されたとて、その被害者が死んだかどうかまでは定かではありません。やはり、最低限アタマとか胴のような、人体の枢要部が出て、もはや死に切っているという事実がはっきりせんことには。
ひょっとしたら、被害者とされた人は今もどこかで生きていて、北の国にラチられたり、事情があって地下に潜伏したために、名乗り出られないのかもしれない。

それから、本件では殺害方法不詳という認定の仕方も気になります。
判決書には何をもって有罪としたのか、また量刑判断の根拠を明確にするために、犯罪事実を記載しなければならないことになっています。
犯行態様は重い犯罪(=刑が重い)ほど詳しく書くのが慣例であり、仮にもコロシならば、刃物で刺したかピストルで撃ったか首を絞めたかの区別くらいは書くのが普通でしょう。絞殺か扼殺か確定できなかったため、「どちらか」という書き方でもよいとされた判例はありますが、まるっきり不明というのはいかにも大ざっぱです。
犯行態様の認定が不要というなら、極端な話、「何かわからんけど悪いことをしたから有罪」というような、いいかげんな裁判がまかり通るおそれがあります。

ともあれ、本件では被告人が争っているので、控訴するでしょうから、今後の成り行きが注目されます。

投稿: YUNYUN | 2006/05/16 0:07:53

追記。
強盗殺人罪は最も刑の重い犯罪の一つで、死刑か無期懲役しかないのです。
無期とは、死ぬまで刑務所から出られない、という意味ですから厳しいですよ。特に、若いうちにそういう刑を受けると。
実際は20年くらいしたら仮釈放として娑婆に出る可能性もありますが、あくまで「仮」です。一生。

もしこれが冤罪だったら、えらいこっちゃと思うわけで。

投稿: YUNYUN | 2006/05/16 0:32:17

YUNYUN さん、ご来訪と丁寧な解説ありがとうございます。

> もしこれが冤罪だったら、えらいこっちゃと思うわけで。

はい。
昔、とある冤罪事件のことを調べたことがあるもので、今回の報道にかなり疑問符が付いたのでした。と同時に、どの報道でもまったく疑問が提示されていないことにもちょっと危機感なのでした。

投稿: baldhatter | 2006/05/16 12:43:09

コメントを書く

## コメントは承認制なので、公開されるまでに時間のかかることがあります。



(必須ではありません)