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2006.02.07

# 『オリバー・ツイスト』

(前エントリがあまりにおバカですが...)

昨日、『オリバー・ツイスト』を観てきました。

ポランスキーらしい佳品でした。本作のように丁寧に描き込まれた映画を観るのは、本当に至福のひとときです。

(オープニングから連想した喩えではありますが)精密なペン画に、ときに淡く、ときに鮮烈な水彩絵具を重ねていくような画面と、その一枚一枚を冷静に綴り合わせる音楽。まぎれもない19世紀英国の風俗と、その中に生きる登場人物たちの表情としぐさ--- classical な小説を読むときと同じ味わいを再現している、良質な映画です。


フェイギンを演じた Sir Ben Kingsley はもちろん助演賞ものだと思いますが、助演賞候補という意味では、犬の Turbo くん(IMDB には、ちゃんと "Actor" とクレジットされている)も有力であろうと小生はにらんでいます。

今回の主人公 Barney Clark は、パンフレットで五味太郎も書いているように、目が印象的でした。この後も役者として成長するかどうかは、ちょっと不明(今の年齢だから演じられているという可能性あり)。魅力的なストリートキッズ(とは言わないか)ドジャーは、今回もなかなかかっこいいのですが、通俗的なかっこよさという点では、Mark Lester 主演のときの Jack Wild の方が勝ってたかも。

英国紳士として Edward Hardwicke が登場しますが、その顔に馴染みがありすぎると、ホームズが出てきて全部解決してくれそうな錯覚を起こすかもしれません (w

それにしても、ポランスキーは、"液体"(というか水分というか)の撮り方が異常に上手いですよね。この時代はまだまだ---『マクベス』の時代からほとんど変わっていないというべきか---ロンドンのメインの pavement を除けば至るところが泥道。その泥道を歩くぼろ靴や裸足を映すだけで、その感触がちゃんと伝わってくる。その pavement にさえ、場所によっては澱んだ水たまりが照り光っている。

同じ水たまりでも、道中の主人公が渇きをしのいだときのそれは、田舎道である分、泥水だけど上澄みなら何とか飲めそうという感じが痛いほどリアル。終盤近くの演劇的な追跡場面では、眼下に見える掘割の汚水が鈍く光っているし、雨が降ればもちろん、みんな soaked to the skin という感じで "ぐっしょり" 濡れるし...。

ところで、本作は多彩な訛りの英語が出てくるのが楽しさの一つではあるのですが、さすがに聞き取りが辛い。そんなわけで、字幕が某女史でなく松浦美奈氏であったのは救いでした。

DVD の発売を待って、繰り返しディテールを楽しみたい一本です。

10:26 午後 映画・テレビ |

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『オリバー・ツイスト』 公式サイト:http://www.olivertwist.jp/原題:OLIVER TWIST製作:2005年イギリス/チェコ/フランス/イタリア監督:ロマン・ポランスキー出演:バーニー・クラーク/ベン・キングズレー/ハリー・イーデン/ジェイミー・フォアマン/エドワード・ハ....... [続きを読む]

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