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2005.10.04

# ハリケーン

リンク: 世界・終わりのない今年のハリケーン・シーズン

「カトリーナ」の犠牲になった多くの方々には、もちろん弔意を表するが、これはまったく別次元の話。今日のニュースでは、今月中にさらに複数のハリケーンが発生するらしい

大西洋における異常なハリケーン発生数(とその規模)については、米本国でも宗教がかった非難の声が上がっているであろうことは想像に難くないのですが、ここまで続くとどうしても言いたくなっちゃいますね。「京都議定書から離脱したことに対する天罰じゃないの」と。

地球上の二酸化炭素の実に 4分の1 に当たる量を吐き出しつづけている張本人が、産業界の圧力を背景にした大国エゴから議定書の批准を拒みつづけ、ついには離脱してしまうという事態。これは、グローバルな影響で考えれば、対イラク戦争の継続より重大な犯罪的行為と言えるだろう。

※温暖化と気候変動の因果関係については依然として結論が出ていないという声は、もちろん無視している。

そんな米国が市場原理(排出権取引)でなら動くかもしれない、という予測もあったようだが、結局今、米国は何もしていない。ハリケーンの異常発生があと数年続いたら、少しは考えるようになるのだろうか?

以下、長いけど全文掲載。

米国海洋大気庁(National Oceanographic and Atmospheric Administration: NOAA)によれば、米国を襲った過去最大級のハリケーン「カトリーナ」に引き続き、最大12個の熱帯性低気圧(このうち4つは超大型ハリケーン)が発生するものと見られている。

29日月曜日、メキシコ湾沿岸に上陸したカトリーナにより少なくとも110人の死者と100万人のホームレスを生み出した。予備的な被害査定は最大250億ドル。専門家は、この先、数週間や数ヶ月の間(恐らくはそれ以上の間)で数十万人に住宅を供給するために十分な避難所の確保が必要であると述べる。また、詳細な被害状況を把握するのにはまだ1〜2週間かかる予定である。

しかし恐ろしいことに、今後さらに多くの熱帯性低気圧が上陸する可能性がある。NOAA国立測候所(National Weather Service)長官デービッド.L.ジョンソン氏は「大西洋では今年記録的なハリケーン・シーズンになるかもしれない。過去11年間で9番目に平均より多い数を記録するハリケーン・シーズンになるだろう」と述べた。

NOAAは、ハリケーン・シーズンの終わる11月末までに、桁外れの21個(通常の倍)もの熱帯性低気圧が発生すると予測。つまり、米国、メキシコ、カリブ海沿岸地域では、今回のカトリーナ級の超大型ハリケーンを含む10〜12個の熱帯性低気圧に襲われる可能性があるというのだ。しかし幸いなことに、全てが上陸するというわけではない。

NOAAによれば「Very Active(過去最大級の)」ハリケーン・シーズンの原因は、大西洋の暖かい海水であると考えられている。27℃を超える暖かい海水により空気中の水蒸気が発生し、その上昇の際にハリケーンやサイクロンが形成される。ハリケーンはいったん発生すると、暖かい海水と適度な風のみを必要として、その威力を保持していく。

先週ハリケーン「カトリーナ」が最初にフロリダ州を襲った時、シンプソンのスケール(Saffir-Simpson scale:ハリケーンを最大風速や被害の規模によって5段階に分けたもの)では、その規模はカテゴリ1にすぎなかった。しかし、これがメキシコ湾の暖かい海水に入ると、24時間も経たないうちに急速に勢力が拡大し、時速250キロ(風速:69.4m/秒)を超える断続的な風をもたらすカテゴリ5に成長した。

カトリーナはメキシコ湾岸に上陸するとカテゴリ4に勢力を落としたが、その規模は最大級で広範囲にわたり壊滅的被害をもたらした。ニューオーリンズの街では、ハリケーンによる直接の被害は免れたものの、大洪水により人々は避難を余儀なくされた。

ピューリツアー賞を受賞したジャーナリストで地球温暖化に関する2冊の本の著者、ロス・ゲルブスパン氏は「メキシコ湾の暖かい海水により、カトリーナを大規模な熱帯性低気圧に変化させる熱が発生したことは間違いない」と述べた。

彼は「しかし、最大の原因は地球温暖化である」とIPSの取材に応じて語った。

これに関しては、地球温暖化や気候変動の存在を否定する政府関係者の間では賛否両論の意見がある。しかし科学的証拠(記録的な数の熱帯性低気圧、干ばつ、洪水、森林火災などの発生)により、気候はまさに変動していることが明らかになりつつある。

NOAAのNational Climatic Data Centreの気象学者デービッド・イースターリング氏もカトリーナがメキシコ湾の暖かい海水から破壊的な力を得たと考えている。

彼は「暖かい海洋の温度は勢力の強い熱帯性低気圧を生みやすい」と述べた。彼は「米国の降雨の強度は著しく増し、これが気候変動によるものである」としている。しかし「最近中部大西洋の海水が暖かくなってきている原因は、地球温暖化か自然周期によるものであるかは明らかではない」と述べた。

Scripps Institution of Oceanographyの海洋物理学者ティム・バーネット氏は「地球的規模で、『人間の手』により地球上の海が暖かくなっているという明白な証拠がある」と述べた。

「海水に入る熱は実におびただしい量である」と述べた。

過去40年にわたり、世界の海の最大300メートル付近の海水温は平均約0.5℃上昇。これは新たな発見ではないが、彼はこれが化石燃料の燃焼により発生する温室効果ガスの結果であることを初めて明らかにした人物である。

科学者は、コンピュータモデルや実在の測定値を組み合わせることで、初めて海洋での地球温暖化がもたらす影響を測定した。

彼は「これは恐らく地球温暖化が現在進行していることを示す最も説得力のある証拠だ」と述べた。

また別の画期的研究によれば、暖かい海洋がハリケーンや台風の破壊力を高めていると考えられている。マサチューセッツ工科大学の気象学者ケリー・エマニュエル氏は先月、英科学雑誌ネイチャーで、0.5度の海水温の上昇で北大西洋のハリケーンの威力は倍になると結論付けた。

この結果は、地球温暖化とハリケーンの動きの変化に決定的な関連があることを初めて示したもので、今後物議を醸し出すにちがいない。

さらに、エマニュエル氏は他の地域の研究でも、北西太平洋の熱帯性低気圧は30年前に比べて75%を超える威力があると報告した。

彼は、ハリケーンの風速とその持続時間を測定して、各熱帯性低気圧の威力の分析を行った。しかしほとんどの熱帯性低気圧が上陸するわけではないので、実際の破壊力を測定することはできなかった。

熱帯性低気圧の数の増加に関しては証拠を見つけることはできなかった。

他の研究では、地球温暖化によりハリケーンが発生し巨大化するのに有利な状況を生み出すことが明らかになっている。

10年前に行われた気候変動に関する予測は、現実のものになってきている。海面や海水温度の上昇が原因で、空気中の温度が上昇し、現在のように熱帯性低気圧が多く発生しているのだ。

ゲルブスパン氏は、米国が気候変動に対して対策を講じ温室効果ガス排出の60%削減に関して英国やドイツの指示に従うのはもう過去のことであると述べている。

スタンフォード大学の環境科学政策研究者M.Mastrandrea氏は、「我々は、ブッシュ政権が提案するような排出削減の実施まで、さらに10年の研究を待つ必要はない」と述べる。

彼は「温室効果ガスの大幅削減の実施を待つことで、取り返しのつかない影響を招く危険性がある」とIPSの取材に応じて語った。

気候システムには大きな立ち遅れがあるので、過去の温室効果ガス排出による影響はまだ明らかではない。したがって、さらに大幅な排出があれば、将来を危機に晒すことになる。

Mastrandrea氏は「我々は今のところは態度をはっきりとさせずに行動すべきだ」と述べた。

08:47 午後 サイエンス |

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