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2005.06.21

# かなり驚きの業界ネタ

リンク: SDL to acquire TRADOS: Corante > Going Global >

"SDL" も "TRADOS" も、業界外の人にはまったく意味をなさない単語かと思いますが、小生の所属している業界では、かなりビッグなニュースです。

TRADOS とは、業界でほぼデファクト・スタンダードとなっている「翻訳支援ツール」の名前(およびその開発販売メーカーの名前)です。かたや、SDL というのは、翻訳サービス会社です。

つまり、翻訳業界の標準とも言えるソフトウェアのメーカーを、同じ業界の一翻訳会社が買収してしまうという...。

そうですね...、スクエアエニックスが SCE(Sony Computer Enterprise) を買収する、みたいな構造だと言えば、業界におけるこのニュースの重大さがお判りいただけるかもしれませんね。

もう少し詳しく言うと、翻訳支援ツールというのは、自動翻訳ソフトではなく、一度翻訳した原文-訳文の単位を「翻訳メモリー」と呼ばれるデータベースに登録していき、以降はその DB から流用することで翻訳効率を高めるというソフトです。で、TRADOS はそのツールで圧倒的にシェアを占めている会社。

SDL は、翻訳サービス会社といっても、多数の言語を扱い全世界にオフィスを展開している、いわゆる MLV(=Multi-Language Vendor)であり、翻訳業界でも相当の大手です。しかも自社でも SDLX という翻訳支援ツールを開発しています。

この買収が実現すれば---ほぼ確定のようなのですが---、全世界の翻訳会社は、必須のツールを別の翻訳会社から買うという図式になるわけで...。うーん...。

04:37 午後 翻訳・英語・ことば TRADOS |

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コメント

はじめまして。翻訳会社の息のかかった翻訳支援ツールを使うというのは、考えてみると、なんとなくすっきりしない気分です。私は最近、TRADOSよりも安くて使い勝手もいいWordfastというツールを使い始めています。

投稿: 山田@トラストワーズ | 2005/07/01 12:55:02

山田様、コメントありがとうございます。Trados ML でもお名前と Wordfast ご紹介の記事は拝見しておりました。

Trados が業界でほぼ標準ツールになっているのは、その機能の豊富さゆえ納得できる部分もあるのですが、解析エンジンあたりはもう少しお利口にならないものかと思います。あのライセンス料自体もreasonableとは到底思えませんし、Trados セミナーなるもののバカ高さには呆れてしまいます(もちろん参加したことはない)。

その意味で、Wordfast のような選択肢が増えていくのは良いことですね。小生はかなり初期のリリースの頃にダウンロードしてみたのですが、当時はすぐには馴染めず、それ以来縁がありません。日常の業務はやはりクライアント指定ツールが優先なので、こちらではツール選択の余地がないのも歯痒いところです。

投稿: baldhatter | 2005/07/02 22:45:18

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