♭いつまで続く、コンテンツ鎖国主義
iPad の日本での発売日がようやく決まりましたが、またソフトバンクだけ、なんですかねぇ。電子書籍の行方も、どうなるのかハッキリしないままだし。
……と思っていたら、音楽業界の状況認識のお粗末さと先見性のなさは、出版界よりもっとヒドいようなのでした。
リンク: 痛いニュース(ノ∀`):「CDだけじゃなく、音楽配信まで売れなくなった!」…原因は「違法ダウンロードのせい」と音楽業界が怒り
===> めずらくし、いきなり 2ch ニュース系サイトにリンクしています。#87 のコメントが秀逸です。
いや、だからさ
タダなんだから有料より多いのは当然で
タダだからダウンロードしたって数は不明なワケだろ
そのタダでダウンロードした数が全部売れるハズだったとか
どんだけお花畑なんだよwwww
ダウンロードでも売れないとか言ってるけど、だったら、なんでさっさと iTunes Store にもっと楽曲を提供しないんでしょうね。「コピーされたら売れなくなる」みたいな硬直しきった発想しかできなくて、いつまで経っても iPod 非対応の形式ばっかり提供しつづけるという、
コンテンツ鎖国主義
のこの国に、文明開化の日はくるんでしょうか。
3,000 円の CD が売れなくたって、150 円のコンテンツが 20 回ダウンロードされれば同じなのに(もちろん、そんな単純な話ではありませんが)。
しかも、売っている(売れていない)中身のほうはと言えば、今の邦楽シーンがどれだけダメか、ウチの娘らの評価を見ているだけでもよく判ります。
歌謡曲? J-POP? <<<<<< アニソン < ボーカロイドのオリジナル
こんな感じですよ。あるいは、たとえば今年の名探偵コナン映画版の主題歌、
この曲が気に入ったと言ってシングル CD を買ってきたりしてますが、この曲なんか、どこかで聞いたような、なんと言うか 80 年代っぽい雰囲気ですよね。
売り方もダメダメ、中身もダメなときたら、右下がりになっていくのは当たり前。それだけの話です。
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ところで、こんなブログエントリも見かけました。
リンク: コデラノブログ4 : 25年前の若者は何を消費していたか
楽しみは、モノで埋めるしかなかった時代だったのである。だが今は、楽しみはサービスが埋めるようになった。
ブリック・アンド・モルタル + モノづくり
という枠組みが
ネットワーク + サービス
に変化した。そんな単純なことにさえ、ちっとも気づかず(気づこうとせず)、何かというと「若者の○○離れ」を嘆くだけなんだもんね。そういうメンタリティが、日本の産業構造に大きく影響しているはずなんだから、「若者の△△離れ」とか言ってるかぎり、日本の経済に未来はないのかも。
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出版業界については、こんなのもあったので追記。
リンク: 電書協の錯覚 - 池田信夫 blog
引用されている元記事: iPadで動くか日本の電子書籍市場、アマゾン・ソニーも検討 | テクノロジーニュース | Reuters
細島事務局長も「紙との共存ができるなら協力するが、紙の出版を維持できないなら協力はできない。こちらがコンテンツを出さなければ向こうも(電子書籍端末を)出すことはできない」と複雑な心境を明かしている。
せいぜいがんばって足掻いてみてください。
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コメント
もと michel です。
なんとかという歌手の感想をいまの若い子に聴いているのをテレビで見ましたが、「歌詞が共感できる」と言っていました。「うんうん、わかるわかる」みたいなレベルなんでしょう。普遍化・昇華されておらず、芸術が感じられないし、詞がだらだらしている。事実しか歌わないという子供のシンガーソングライターの歌をラジオで聴いたとき、唖然としましたよ。最初の数フレーズは聴けましたが、後は耳が拒否してました。
投稿: snafkin | 2010/05/09 18:10:46
わーい、スナフキンが来たぁ。
(故・岸田今日子の声、もしくは高山みなみの声でどうぞ)
> 「歌詞が共感できる」と言っていました。「うんうん、わかるわかる」みたいなレベル
あれですかねぇ。もう一昔前の話ですが、いわゆるアイドル? が高嶺の花のような美人ではなく「その辺にもいそうな親しさを感じさせる」カワイイ系に推移しましたよね(今もたぶんその延長上)。その辺りとも関係あるんでしょうか。
> 後は耳が拒否
そうそう。自動的に filter out されます。
投稿: baldhatter | 2010/05/10 14:59:03
崇高なものをあがめるということから、簡単に手にとって「あ、コレいいね」というような風潮に変わってきているのだと感じています。難しく考えないというか。
投稿: snafkin | 2010/05/19 8:15:39